約 122,537 件
https://w.atwiki.jp/ygo000/pages/798.html
通常モンスター 星4/光属性/魔法使い族/攻1600/守1000 聖なる力を操る人形。 闇での攻撃は強力だ。 たった2行で矛盾を生み出している究極のクズカード。 英語名の「Rogue Doll」ですら適当な直訳で「悪いものを取り除く人形」であり、何故闇で攻撃を行うのか意味不明である。 付け加えるならば原作・アニメで使用された攻撃名でさえ「聖なる光(シャインカオス)」という徹底ぶりで、よりいっそう「なぜ闇を使うんだ…?」と疑問を作る要因になっている。 しかし、このフレーバーテキストの"闇"が実は『我々の認識とは違う"闇"』だとはいったい誰か予想できようか。 ではどういうことか説明しよう。答えは原作におけるもう一人の主人公こと闇遊戯。彼がこのホーリー・ドールの正体を暴く、決定的な証人である。 闇遊戯はもともと一線を越えてしまった悪人に闇のゲームを仕掛けては、負けた相手に罰ゲームで行い悪を裁くポジションであった。 悪人に対しては冷たく、悪人顔であり、言動なども合わさりまさに闇と言う感じである。 …実はこのホーリー・ドールもそういったもう一つの人格を持つモンスターなのだ。 カードを見ればイラストの真ん中にある巫女っぽい女性の顔とは別に、もう一つ上にニヤケ顔のようなウザったい顔が見えてこないだろうか? 彼の右手の形が金を示すポーズに似ていることもそのウザさをいっそう高めているが、そこは置いておく。 つまりホーリー・ドールが行う闇での攻撃とは、闇遊戯が敗者に行う罰ゲームと同じ事である。 聖なる力を操る人形(闇遊戯が出ている間、表遊戯は特に何かできるわけではない) 闇での攻撃は強力だ(闇遊戯の罰ゲームは海馬の心を一撃で破壊する程度のパワーを持っている) …もうお分かりだろうか。 そう。 ホーリー・ドールの正体とは表遊戯・闇遊戯、二人の事だったのである!!! まさにホーリー・ドールは遊戯王OCG界の主人公にふさわしいカードである! この事実が発覚した今、コレクターはこの希少なレアカードを求めて街へと足を運ぶことだろう。君も遅れないに今すぐ買い集めろ! さて最後に本項のおまけとなるが、ホーリー・ドールの評価、その結論を出そう。 レベル4・光属性・魔法使い族という恵まれたカード。 1600/1000というリクルート持ちカードに打ち勝てる単純な強さ。 通常モンスターと言うメリット抜群のカード種。 場に出して罰ゲーム(罠カード)を発動し、口調を悪役っぽくすれば、誰でも原作初期遊戯となることができる原作アド。(みんなもぜひ友人とのデュエルなのでは試してみよう) そんなホーリー・ドールが下位・クズカードで無いことは確定的に明らかであるーーー。 16スレ目 458名も無き決闘者 (ワッチョイ 9792-Xzpz)2019/06/16(日) 15 06 34.71ID i0S5eFtF0 まーた主人公が暴かれてしまったのか 草生えた たしかに表闇遊戯両方を満たすのは相当のアドだこれまでもこのカードは主人公だ的な評価はあったがまさか両方とは 光と闇が両方そなわり最強に見える―――― Tag:フレーバーテキスト 主人公アド 原作アド 正体判明 矛盾
https://w.atwiki.jp/ygo000/pages/871.html
効果モンスター 星4/水属性/魔法使い族/攻1400/守1200 このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):このカードが手札に存在し、 「オルターガイスト」リンクモンスターが自分フィールドにリンク召喚された時、 そのモンスター以外のフィールドのリンクモンスター1体を対象として発動できる。 このカードを対象のモンスターのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。 このターン、対象のモンスターは「オルターガイスト」モンスターとしても扱う。 手札から展開でき、名前を「オルターガイスト」に出来る中々独自の効果を持つが、そもそも地力が強い【オルターガイスト】においては使い道がないというインフレが生んだ悲しき産廃カードだ。 Wikiにおいても元ネタ考察すらない。このカードはエマのカードのポルターガイスト(アンチパターン)でしかないのであろうか? このカードはリンク素材にするに向かないというのが通説だ。つまり他の素材に使えばよいのである。 《星に願いを/Star Light, Star Bright》 † 通常魔法 自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。 選択したモンスターと同じ攻撃力または同じ守備力を持つ 自分フィールド上のモンスターのレベルは、 エンドフェイズ時まで選択したモンスターと同じになる。 お馴染み下位クズカード御用達の強引評価用の辻褄合わせカードだ しかし地力が高い【オルタ―ガイスト】においては選択肢の一つになり得てしまうカードでもある フィジアラートとシンクロの《オルターガイスト・ドラッグウィリオン》は守備力が同じ1200…つまり《星に願いを》を使えばランク4or6が選べてしまうのだ! ランク4の汎用性は語る必要もないが、ランク6は少々面白い構築が可能だ。 魔法使い指定の《風紀宮司ノリト》《マジマジ☆マジシャンギャル》はランク6内でもかなりの便利さである。 突破するなら《ガントレット・シューター》《ソードブレイカー》 牽制に《No.25 重装光学撮影機フォーカス・フォース》《フォトン・ストリーク・バウンサー》 戦況を動かすには《No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ》《No.6 先史遺産アトランタル》…etc 他にも魅力的なカードは様々だがジワジワと追い詰める【オルターガイスト】の手助けになってくれることは間違いない。 フィジアラートはレベル4であり、オルターガイストにはレベル2のチューナー《オルターガイスト・フィフィネラグ》を有している。《オルターガイスト・ドラッグウィリオン》はレベル6。 まとめると《オルターガイスト・フィジアラート》はフィールドに出しやすくシンクロ、エクシーズ素材に最適な非常に優秀なカードなのだ! 因みに《オルターガイスト・ドラッグウィリオン》はリリースされると自己再生できる効果がある。 エクシーズ素材にした後、この効果をコッソリ使用してしまうのも下位クズ民ならば当然の嗜みであると言えよう… 17スレ目 907名も無き決闘者 (中止 9f54-SeGQ)2019/12/25(水) 13 34 33.83ID 3lnQP5Q10XMAS 相手のリンクモンスターの矢印が自分フィールドを指してればオルターガイスト扱いに出来るけどオルターガイストの効果ってほぼ自分フィールドが指定されてるんだよな Tag:【オルターガイスト】 星に願いを 正当評価
https://w.atwiki.jp/ygo000/pages/709.html
【遊戯王】下位・クズカードを強引に評価するスレ 13 http //fate.5ch.net/test/read.cgi/yugioh/1475423179/ にて記載されたカードの一覧です。 順不同 期間: 2016/10/03(月) ~ 2017/09/17(日) エンジェル・リフト カンガルー・チャンプ ガーディアン・エルマ クラブ・タートル クリボン コザッキーの研究成果 サイバー・チュチュボン シャインスパーク ジェノサイド・ウォー スターフィッシュ スリーストライク・バリア ナチュル・ガオドレイク ネクロ・リンカー ハングリーバーガー バックアップ・ウォリアー マタンゴ メタル化・魔法反射装甲 モンスター回収 ヴィクトリー・ドラゴン 収縮 地砕き 密林の黒竜王 対壊獣用決戦兵器スーパーメカドゴラン 悪魔の知恵 機皇神龍アステリスク 氷炎の双竜 漆黒の豹戦士パンサーウォリアー 異次元の古戦場-サルガッソ 真竜機兵ダースメタトロン 破戒僧 ランシン 神々の黄昏 竜魂の石像 精神操作 精神統一 絶望神アンチホープ 覇王眷竜オッドアイズ 邪神イレイザー 闇 魔法除去 CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon No.43 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッター
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/4920.html
戻る 書いた奴はゴミクズ以下ってことだ -- (名無しさん) 2012-04-29 20 47 00 ↓同意。 いい話にしようとして滑っているし。 -- (名無しさん) 2012-04-29 21 52 33 ハードって言うか…なんか滑りまくってるよ… -- (あずキャット) 2012-04-29 23 32 22 普通にSM路線で行くべきだった? しかし、何度も言ってるが、愛が無ければSMではない。 -- (そして俺は団鬼六ではない) 2012-04-30 22 48 16 これ、いつもの人とは違うよね? -- (名無しさん) 2012-05-01 00 12 55
https://w.atwiki.jp/ygo000/pages/305.html
【遊戯王】下位・クズカードを強引に評価するスレ 4 http //anago.2ch.net/test/read.cgi/tcg/1279717152/ にて記載されたカードの一覧です。 五十音順です。 期間: 2010/07/21(水) ~ 2012/02/08(水) A・O・J ガラドホルグ 悪魔の知恵 アイアイアン アチャチャアーチャー エア・イーター E・HERO フレイム・ブラスト カラテマン カーム・マジック ガーディアン・スタチュー 奇跡のジュラシック・エッグ きのこマン ギャラクシー・ストーム 局地的大ハリケーン 紅葉の女王 氷水 コカローチ・ナイト 黒板消しの罠 コストダウン 邪悪な儀式 邪神イレイザー シャドウナイトデーモン 執念の剣 ジェムエレファント 召喚師セームベル スクラップ・コング スケイルモース 聖なる鎧-ミラーメール- 即神仏 ダークゼブラ ツインテール 天魔神エンライズ 破戒僧 ランシン BF-極光のアウロラ BF-追い風のアリゼ プラズマ・ボール ボアソルジャー 魔導書整理 未熟な密偵 森 闇の指名者 ライト・バニッシュ 六尺瓊勾玉 No.19 フリーザードン No.56ゴールドラット
https://w.atwiki.jp/ygo000/pages/310.html
永続魔法 このカードの発動時に相手フィールド上に存在する 全てのモンスターを裏側守備表示にする。 また、このカードがフィールド上に存在する限り、 相手フィールド上モンスターは表示形式を変更する事ができない。 2回目の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを破壊する。 光の護封剣のパロのように登場したカード。相手モンスターの表示形式変更、ロックを行う。 しかし後だしカードは防げず効果で簡単に表示形式は戻る。聖刻は裏でもリリースできる。スパイダーとのシナジーも裏側守備なので完全ではない。 速攻魔法であれば月の書のように使えたのに永続魔法だからサイクロンにさえ消される始末。 しかし、このカードは多くのカードを一つに繋いでくれる優秀な一枚であると私はおもう。 まず多くの強力効果モンスターもこのカードの前では裏守備なので効果を使用できない。 《ライオウ》や《ヴェルズ・オピオン》(反発を撃たれたら脱出装置してやればいい)などを一度に無効化できる。 表示形式をロックする効果を用いて《つまづき》を投入するのも悪くはない。相手を締め付ける時間はこのカードにより長くなるのだ。 このカード自体とはかみ合ってないが《断頭台の惨劇》をいれてみるのもいいだろう。 このカードの維持期間の短さは《霞の谷のファルコン》や《BF-精鋭のゼピュロス》でセルバンすることで解決する。 さらに多くの貫通効果持ちのカードらもこのカードでさらに活躍できる。 このあたりで気がついてもらえているかもしれないが上のカードらにはシナジーがある。 ファルコン、ゼピュロス…ここに《BF-黒槍のブラスト》を投入して鳥獣族軸のファルコンビートが可能なのだ。 ここに《霞の谷の戦士》を入れれば《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を呼び出して相手モンスターを焼き払う事もできる。レモンのデメリットもこちらのモンスターの表示形式には影響がないので特に気にしなくてよい。 《スワローズ・ネスト》を用いれば容易にこのコンボは達成できるのも魅力だ。 私がこのカードの評価をしようと思ったのは「まともに使える評価をしたい」と思った事ともうひとつ「最近は効果自体に下位・クズが生まれているのでは」という危機感があったからである。 貫通は《迅雷の騎士ガイアドラグーン》以外は殆ど目にしない。表示形式変更なんて月の書すら採用率が減っている。カードのシングル価値は一部のみ超高騰し同じカードとコンボばかり環境にありふれる。 ファルコンビートなんてガチめなデッキを提案してみたが、これはそれらに比べれば中々個性的なものだ。 普段軽視されている効果とカード達で強力カードをねじ伏せる。相手は「こいつら実は強いじゃん」と思うだろう。 《闇の護封剣》 のおかげで多くのカードがさらなる力を発揮し今度は《闇の護封剣》を支える。 私も《闇の護封剣》のような人になりたい。 6スレ目 384 :名無しプレイヤー@手札いっぱい。:2013/02/07(木) 23 51 19.33 ID wOBW6aCc0 闇の護符剣は最初から下位でもクズでもなくね手軽に全員裏守備にできるのは珍しい 闇の護封剣は地味に良カード ガチでは入れないけど程よいレベルの身内メタとして使える Tag:正当評価
https://w.atwiki.jp/ygo000/pages/574.html
永続魔法 (1):1ターンに1度、手札を任意の枚数墓地へ送って発動できる。 墓地へ送ったその枚数分だけ、このカードにバルーンカウンターを置く。 (2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、 相手フィールドのモンスターの攻撃力は、 このカードのバルーンカウンターの数×300ダウンする。 レディースアーンドジェントルマーン!! 今回ご紹介するカードはこちら!!アニメ第一話で榊遊矢が使用した魔法カード「ワンダー・バルーン」!!! アニメではアクションカードをコストに攻撃力を3000も下げようとしたエンタメなカードですが、OCGに伴い下降値は300ポイントに大幅減少してしまいました。 単に攻撃力を下げるなら強者の苦痛で十分。エクシーズモンスターも下げれるにしてもコストが重い。 みなさん、そうお考えではありませんか? しかし、このカードはエンタメとはまるで違うあのデッキで使用してこそ真価を発揮するのです!! そのデッキの名は「インフェルニティ」!! そう、インフェルニティにおいてこのカードを使用することにより手札を好きな枚数減らしハンドレスにすることが可能なのです!! さらにこの攻撃力減少効果も強力に作用し、1枚捨てればコアキメイルドラゴを、2枚捨てればエルシャドールミドラーシュをインフェルニティ・デーモンで倒せるようになるのです。 さらにラグナゼロを投入しておけば除去火力とドローを兼ね備えることも可能になると、まさにいいことづくめ!! え?ラグナゼロのドロー効果はハンドレスと相性が悪くないかって?そんなことはございません。インフェルニティは蘇生札や防御札が重要!それを呼び込めるドローが弱いはずがない!! もし、モンスターを引いたとしても、そんな時こそこの「ワンダー・バルーン」の効果で捨ててしまえばいいのです!!ワンダーバルーンは毎ターン手札を捨てることができるカード!!まったく無駄がありません!! 相手ターンにラグナゼロの効果を使うとバリアやブレイクを阻害してしまいますが、バリアやブレイクを使い切った後でもさらに除去効果持ちがいるという強固な布陣にすることも可能です!! 実は私は先日、プレイマット争奪戦にこのカードとエッジインプシザーらを投入したインフェルニティで参加して見事優勝してまいりました! 他の強化を受けた新デッキらと対戦をし、そのたびに相手に驚かれました。 そして、私は感じました。今まで自分だけの満足を求めていたインフェルニティで、他のプレイヤーも満足させることができていることを!! 「ワンダー・バルーン」を投入することで、インフェルニティはギャラリーや相手プレイヤーをも満足させるエンタメ性をも手に入れられるのです! 「ワンダー・バルーン」の素晴らしさに気が付いたあなた!さっそくデッキに投入して、いつも戦っている友人たちを満足させてやろう!! お楽しみも俺たちの満足もこれからだ!! 9スレ目 178 :名無しプレイヤー@手札いっぱい。@転載は禁止:2014/07/24(木) 19 29 17.47 ID uVzHOfBc0 これがエンタメか 優勝はさすがにインフェルニティの地力がデカいだろうが、たしかにシナジーは抜群だな 制圧力上がるからハンドレスフェイクの代わりに入れても押し切れるし あの満足ドローは布石だったんだな ところでワンダーバルーンてなんの下位互換なんだ? 俺の紋章ラグナゼロで活躍してるから クズカードとは思いたく無いんだけど ぱ、パンプリンセスとか…? 永続だと消費枚数で強者の苦痛 それ以外なら使い勝手とダウン値で収縮あたりじゃない? どの用途にしてもいまいち優先度が低い感じだから下位でいいんじゃないか 下位クズってのは建前で 使いにくかったり優先度が低いカードも評価するスレだから ワンダーバルーンは完全な下位カードではないけど優先度が限りなく低く使いにくいカードであることは間違いないからな Tag:【インフェルニティ】 エンタメデュエル 正当評価
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/553.html
別視点 「い゛ぎいいいいいい!ゆ゛っぐりでぎだいいいいいいいいい!!!」 一匹のゆっくりまりさが縄で縛られて木の枝につるされていた。 「はっはっは、人の畑荒らしやがってこのゴミクズが ざまぁねぇなおいさっきまで『まりさはつよいんだよ!』とか言ってたじゃねーか あの威勢はどうした?あぁん?おら、命乞いしろや!」 里の男がサンドバックのようにべしべしとまりさを殴りつけていた。 「ゆ゛ぉ゛っゆげっ゛ゆ゛ぅっ」 「ったく、おめぇが突っかかってくるからもう一匹のゴミクズ逃しちまったぜ その分楽しませろや!」 そう言って男はさらにまりさを殴りつける。 「ゆ゛っげ!?れ、れいむは…」 「ああん?」 「れいむはゴミクズなんかじゃないよ!」 そう言うや否や、殴られた反動とまりさは体を揺らした勢いで男に体当たりをした。 「…てめぇはたっぷりと苦しませてから全殺す」 頬にゆっくりのやわらかい体をぶつけられた男は背筋まで凍るような冷笑を浮かべた。 「まりさ…ごめんね…!ごめんね…!」 林の中を駆けるゆっくりれいむが一匹。 このゆっくりれいむはゆっくりまりさのつがいのゆっくりであった。 里の畑で食料を集めている際に運悪く人間に捕まりそうになった。 本来は里の食料には危険なので手を出さない程度の知恵はあるゆっくりなのだが 冬越えを前に食料が不足してつい里の食料に手を出してしまった。 子どもがたくさん産まれて、手狭になった家を捨てて新しいお家に引っ越したのも痛かった。 場所が変わり、新しい狩場を探すところからはじめなくてはならなかったのだから。 結局食料難で里の畑に手を出してその末に捕まって二匹とも殺されそうになったのだ。 しかしまりさが自らを囮にしてなんとかれいむが逃げる隙を作ってくれた。 そのおかげで今、こうして必死に森の方へと逃げているのだった。 「ぜったいに…むかえにいくからね…!」 もうまりさが助からないことはれいむにもわかっていた。 せめて亡骸だけでもゆっくりさせてあげたかった。 「ごめんね…ごめんね…ごめんね…!」 れいむは後ろを振り向かずにひたすらに走った。 れいむの耳には聞こえないはずのまりさの悲鳴が何故かよく聞こえた。 「まりさ…どこ、まりさ…!」 あれから一週間、れいむは子ども達に留守番をさせてまりさが連れ去られた所を探していた。 人間が居た場所を探すのは危ないのだが、ここはあの男がまりさをいじめるために人目を憚ってわざわざ移動した場所である。 それほど危険は無いはずだった。 「まりさ…まりさ…まり…まりさああああああああああああ!!!!」 まりさはあれからずっと木の上に吊るされていた。 綺麗だった金髪は引き千切られ、髪の着いたまま千切れた皮がぶら下がってその中から餡子が覗いていた。 顔には筆でなんて書いてあるのかはわからないが恐らく屈辱的であろう文字が書いてあった。 元気に飛び跳ねているところをよく見せてくれた足には何十本も先を尖らせた枝が突き刺さっている。 周りには蝿や蛾が集り中身を少しずつ咀嚼している。 その死に顔は苦痛だけに満ち溢れていた。 「ゆうううううう…!ゆううううううううううう…!!」 れいむはその場で泣き崩れた。 自分を逃がすためにまりさはこんなに辛い目にあったのだ。 あの時自分が人間に見つからなければこんなことにはならなかっただろう。 「…まりさを…おろしてあげなきゃ… このままじゃゆっくりできないよね…」 そう言ってれいむはまりさを縄から降ろすためにまりさを吊っている木に登ろうとした。 「ゆうううううううう!?のぼれない!!!のぼれないよおおおおおおおおおおおお!!!」 どだい手も足も無いゆっくりが地面に対してまっすぐ立つ木に登れるはずもなかった。 「あああああ!まりさがゆっくりできない!まりさがゆっくりできないよおおおおおおおお!!!」 せめて亡骸だけはゆっくりさせてあげたいというれいむの願いは粉々に砕かれた。 れいむは絶望しがっくりと項垂れた。 「そ、そうだまりさの帽子 まりさの帽子はどこ!?」 吊るされているまりさには命より大事な帽子がなかった。 ひょっとしたらどこかに落ちているかもしれないと思いれいむは辺りを見回した。 「あ…あれ!」 よく見回すとすぐ近くに黒くて素敵なまりさの大事な帽子が落ちていた。 少し汚れていたが家に持って帰って綺麗に洗ってあげよう。 そして形見として大事に持つのだ。 あの帽子さえあれば子ども達をまりさが見守ってくれているような気持ちになれる。 帽子にはまりさの残り香がある、それをかげばきっとまりさといっしょに居るような気持ちになれる。 そう思い、れいむは帽子を拾うために口にくわえようとして立ち止まった。 「あ…あ…ああ…」 刺激臭がれいむの鼻を劈く。 まりさの命よりも大事な帽子は中にたっぷりと人の糞が詰っていた。 周りには大量の蝿が集っている。 小便もたっぷりとかけてあるのだろう。 ところどころ白いリボンが黄色く変色していた。 きっと生きている間こうやって目の前で命よりも大事な帽子を汚され続けたのだ。 それはきっとどんなことよりも苦痛だっただろう。 まりさの残り香などしようはずもなかった。 「ゆ゛あああああわあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!! ま゛り゛ざあああああああ!!!ゆ゛ぎゃあああああああああああ!ゆ゛ぎゃあああああああああ!!!!」 ある時から、ゆっくりの間でこんな噂が広まった。 『魔法の森の奥深くに おいしい花が美しく咲き乱れ 太陽は燦燦と降り注ぎ 小川はその光を照り返してやさしくせせらぐ 緑に溢れ夜もやさしい空気が安らかな眠りに誘う そこには争う者はおらず誰であろうともゆっくりできる そんなゆっくりプレイスがあるという その場所の名は 何度夜が来てもずっとゆっくりしていられる という意味を込めて 永夜緩居(えいやゆるい) と呼ばれていた』 この物語は永夜緩居を目指したゆっくり達の物語である。 永夜緩居 第二話[ゴミクズ] 「ゆっくりー♪」 「ゆっくりー♪」 能天気に外で遊ぶ子れいむ達と違ってれいむの表情は暗い。 冬越えの食料が一向に集まらないのだ。 もとよりただでさえ食料が不足していたのだがまりさが居なくなって食料集めはさらに困難になった。 もっとも手っ取り早く食料を集めるのなら人間の里に採りに行くのが一番早い。 しかしれいむにもう人間の里へ行く勇気は無かった。 何か違う方法を考えなくてはならない。 れいむは頭が痛くて仕方なかった。 「ゆー、れいむは永夜緩居ってほんとうだと思う?」 「ゆ?永夜緩居?」 それは食料集めの途中で若いまりさとれいむのゆっくり夫婦とであった時のことだった。 「そこはね、ごはんもたくさんあってとってもゆっくりできるゆっくりプレイスなんだって」 「そこにさえ行けばゆっくりしほうだいだぜ!」 ゆっくり夫婦は期待に満ち溢れた目で言った。 「ゆー、そんなの嘘八百だよ ごはんを集めるにはまじめにがんばるしかないよ」 れいむにはそんな話はとても信じられなかった。 若者は何故こうも夢物語に食いついてしまうのだろうかとれいむは疑問に思った。 「でも言ってきて様子を見てきたゆっくりを知ってる奴の話もまりさはたくさん聞いたんだぜ! きっとみんなそこでゆっくりしてるんだぜ!探さない奴は馬鹿だぜ! まりさもえーやゆるいに行ったら思い切りゆっくりしてれいむをすっきりさせまくるんだぜ! ま、まりさはいまここでまりさのえくせれんとなまむまむでれいむをすっきりさせてあげてもいいんだぜ」 若いまりさが熱っぽい視線を送りながら若いれいむに圧し掛かる。 「ゆっ、やめてよまりさ!はずかしいよ!」 そう言って二人で絡み合いを始める若いゆっくり夫婦 「ゆぅーん…」 れいむは眉根を寄せて嫌な顔をした。 れいむはどうもこの若いまりさは軽薄な感じがして好きになれなかった。 しかし実際に行ってきたゆっくりが居るという話は気になる。 少し調べてみようかとれいむは思った。 話を色々聞いてみると確かに魔法の森の奥に素晴らしいゆっくりプレイスを見つけたというゆっくりの話を聞いたゆっくりの話をいくつか聞けた。 証言の内容や行ってきた場所もほぼ一致する。 もしかしたら本当に永夜緩居はあるのかもしれない。 「ゆっゆっゆー♪」 「ゆっゆーん♪」 れいむは子ども達を見た。 恐らくこのまま食料を集めてもれいむにはかなりたくさんの子どもが居る。 きっとこのまま冬を迎えれば何匹か『間引く』ことになるだろう。 出来ればそれは避けたかった。 「……この子達はまりさの形見だもんね…まりさのぶんもゆっくりさせてあげなくちゃ」 れいむは永夜緩居を目指すことを決心したのだった。 「あっゆっこー♪あっゆっこー♪」 「れいっむはーゆっくりー♪」 「ゆっくりー♪だいっすきー♪」 「ゆっくりいっこっおー♪」 子ども達は気楽に歌を歌いながらゆっくりと歩いていた。 こうやってゆっくり進んでいられるのもれいむが吟味に吟味を重ねて 補給ゆっくりポイントが多く荒れの少ないコースを選んだからだ。 れいむ一人か、子どもがもう少し育っていれば多少険しい道でも近道を行きたいが 子ども達はまだまだ幼いのだから仕方ない。 れいむとしてもここは我慢のしどころである。 予定道理池の近くのゆっくりポイントに到着したれいむはすぐに寝床を用意すると明日も早いのですぐに寝るように言った。 子ども達はすぐに寝ようとし、そして叫び声があがった。 「そこはれいむたちのおうちだよ!おねえさんはゆっくりちてなんででていってね!」 見知らぬゆっくりが予定していた寝床を先に一つ占拠してしまっていたようだ。 そこを占領されては子ども達が全員安全に眠れない。 すぐに立ち退かせてやろうとれいむは意気込んで木の洞へと向かった。 「ゆ!ごめんね、まりさはすぐにでていくから怒らないでね でもこのぱちゅりーだけはゆっくりさせてあげて!とっても疲れてるの、お願いだからゆっくりさせてあげてね!」 そこではまりさが必死にれいむ達を相手に仲間のぱちゅりーを助けるための交渉を繰り広げていた。 ただし自分はなんとかする対象に入っていないようであった。 ただただぱちゅりーを休ませて欲しい、それさえ認めてもらえれば自分はゆっくりできなくても構わないと言う。 れいむはその姿をみてまりさ種には珍しい男気のあるゆっくりだと思った。 れいむの愛したまりさも人のために自分を犠牲に出来るそんなゆっくりまりさだった。 「ゆ、別に一匹だけならいいよ それなられいむの子どももねむれるから」 「ゆ!?ほんと!ありがとうね!ありがとうね!」 そのまりさは目をキラキラさせて本当に喜んでいた。 全く、自分のゆっくりは全然確保できて無いのにこんなに喜ぶなんて呆れてしまうとれいむは思った。 「あっちにくぼみがあるからそこで草でもかぶって寝ててね すこし危ないけどそれなりにゆっくりできるでしょ」 「ゆ!いたれりつくせりだよ!ありがとうれいむ!」 本当に人のいいゆっくりだ。 でも嫌いじゃないとれいむは思った。 まりさはすぐに明日の出発するための準備を済ますと寝床を貸してくれた御礼に自分たちの準備も手伝ってくれるといった。 ここまで来ると呆れざるを得ないがありがたいことには違いないので喜んで申し出を受けた。 次の日、子ども達をまりさに任せて今後の計画を練っているとぱちゅりーが目を覚ましたので 全員で集まって食事を採った。 「むきゅ、つまり昨日からここで偶然れいむ達の家族と会ってそれでいっしょにおやすみしてたんだけど ぱちゅりーはねてたから気づかなかったってこと?」 「そうだよ!いっしょにゆっくりしてたよ!」 まりさが元気に答えた。 つまりはそういうことらしい。 二匹は若いだけあって中々険しいコースを進んできたようだった。 無謀擦れ擦れの勇気だとれいむは思った。 今の自分には子ども達が居なくてもそんなコースは行かなかっただろうと思う。 「むきゅ、そんなにいっぱい子どもがいるのにここまでこれるなんて…」 ぱちゅりーがこちらを見て溜息をついた。 確かに我ながらこの面子でよくここまで頑張っていると思う。 「れいむのおかあしゃんすごいでしょ!」 「すごいでちょ!」 子ども達は誇らしげに胸を張った。 「むきゅ~、ほんとにすごいよ どうやって来たのかぱちゅりーにも教えて欲しいよ」 「ゆ、れいむはお母さんだからね 子ども達のためにすごいがんばったんだよ」 「おかあしゃんがんばったよ!」 「がんばっちゃょ!」 「ゆゆ、何があってもれいむの赤ちゃんはれいむがまもってあげるからね」 そうだ、この子達はまりさの唯一の形見、まりさがあの人間を相手に戦ってこの世に残せたただ一つのものなのだ。 この子達の命、必ず次代へとつないでいかなければならない。 れいむの視線には愛情だけではないまりさへの悔いや人間への憎しみ、様々な想いが複雑に絡まったものだった。 「まりしゃおねーしゃんばいばい!またいっしょにゆっくりしようね!」 「ゆっくりちようね!」 「ちようね!」 「ゆ~!」 「うん!きっとみんなとゆるいで一緒にゆっくりするよ!」 子ども達は無邪気にまりさ達に別れを告げているが本当にきついのはここから先なのだ。 れいむは気を引き締めた。 子ども達の体力に気を使いながらゆっくりとれいむ達は進んだ。 ここまで来ると子どもでも簡単に越えられるコースは殆どなく 必然的に少しでも早く終わらせるために多少険しくてもショートカットコースを進むこととなった。 子ども達には辛い道中となったが、その甲斐もあってれいむ達はついに永夜緩居へと辿り着いたのだ。 そこは噂にたがわぬおいしそうな花が美しく咲き乱れ お日様は燦燦と降り注ぎ小川はその光を照り返してやさしくせせらぐ 素晴らしくゆっくりして美しい場所だった。 「ゆっくりー♪」 「わー、まるでてんごくみたいー♪」 「まったく、えんぎでもないよ」 れいむは物騒なことを言う子どもを嗜めた。 しかし確かに天国と間違えてしまいそうなほど美しい景色だった。 「あ、ちょちょさんだー!がおー!たべちゃうぞー♪」 「たべちゃうじょー♪」 「れみりゃのまねなんてしちゃだめだよ!!」 流石にこれにはれいむも怒る。 あんな恐ろしい生き物の真似などされたらたまったものじゃない。 そんなれいむの注意を気にも留めずにおなかを空かした子ども達はちょうちょを食べに走っていった。 「ほんと…こまったもんだよ」 れいむはやれやれと思うと同時に肩の荷が下りたのを感じてつい顔が綻んだ。 これだけ食べ物の豊富なところなら住処さえ見つければ冬越えも苦労しないだろう。 「ゆー♪ぱくっ…ゆ、ぅげぇぇえええ!?」 飛んでいたちょうちょを一番乗りでかみついた子どもが突如ちょうちょと餡子を吐き出してもがき苦しみだした。 「お、おねえちゃん?」 「どうしたの!?おなかいたいの?!」 周りのほかの子ども達がその子どもの周りに集まった。 「…!?ど、どいてね!」 れいむも慌てて子どもの傍に駆け寄る。 「ペロ…これは、なんだかよくわからないけどゆっくりできなくなる毒!」 なんということだ、ここのちょうちょは毒をもっているというのか。 他にも毒を持ったものが居るかもしれない。 ここでの餌探しは慎重に行わなければと心に刻みこむれいむだった。 「食べたものぜんぶ吐いてね!!!」 「うげっ!おげえええええ!おがあざんゆっぐりざぜうごぁ!」 とりあえず毒もろとも腹の中の内容物を吐き出させるれいむであった。 凄惨な光景に子ども達は目を背けた。 背けているとなんで背けていたのかも忘れて他のことに気をとられるのがゆっくりブレインである。 「ゆ、あのきはおいしいきのみがなるきだよ!」 「ゆゆ!みんなたいあたりしてきのみおとすよ!!」 「えいえいゆー!」 すぐさま木の周りに子ども達は集まった。 「ゆ?危ないかもしれないからちょっとゆっくりしてね!」 慌ててれいむは静止したが子ども達は意に介さずに体当たりを敢行した。 ボトっ、ブゥゥゥン。 凶悪な羽音と共にそれは舞い降りた。 「はちだぁああああああああああ!!!!」 「だずげでええええええええええ!!!!!」 「おがあざあああああああああああん!!!」 「お母さんについて早く逃げてねええええええええええ!!!!」 ここではゆっくりできないとれいむは確信した。 なんとか逃げ回って蜂をまいたれいむ達は大分歩き回ったので位置がつかめず 周りを確認するために小さな丘を見つけてそこに登った。 そこでれいむはみょんな物を見つけてしまう。 「まりさは!ぱちゅりーのことが!だいだいだいすきだよ! どんなお顔になっても!どんな時でも!ずーっとずーっと一緒にゆっくりしていたいの! だから、だからああああああ!!!」 「む、むきゅううううううううん!!」 全く、あの二匹は子どもの癖に何をやっているのか。 真昼間からあんな開けた場所で行為に及ぶとは若いゆっくりは羞恥心が足りない。 ここはいつからゆっくりハッテン場になったのか。 「そこまでよ!」 『ゆきゅう!?』 ぱちゅりー種の十八番のセリフを奪ってやったらひとまず溜飲が下がった。 「まだ大人じゃないのにスッキリしたらゆっくりできなくなるんだからね! じちょうしてね!!!」 『ゆ、ゆゆゆゆゆ~~』 若い二匹の交尾に対してぷんすかとれいむであった。 行為を目撃されて流石に恥たのか二匹は顔を真っ赤にして俯いて唸っていた。 「おかあさん、まりさおねえちゃんたちなにちてたのー」 「子どもはまだ知らなくていいよ!! まったく、わかものの性の乱れにはゆっくり呆れるよ!」 この前の軽薄なまりさとこの子達は違うと思ったのだが買いかぶりだっただろうかとれいむは溜息をついた。 「ゆゅ!?まりさ!そっちのきもちわるいのなに!?」 「ゆ!?」 ぱちゅりーの顔を見た子れいむが悲鳴をあげた。 「おかあさん!きもちわるいのがいるよ!」 「あんなのといっしょじゃゆっくりできないよ!」 「…ゅっ、むっ…ゅぅ…」 「ぱ、ぱちゅりー…!」 れいむは耳を疑った。 何故そんな酷いことをこの子達は口走っているのだろうか。 この子達はれいむの愛したあの優しくて仲間思いで責任感のあるまりさとれいむの間に生まれた子ども達のはずだ。 れいむのまりさが遺した大事な子ども達がこんな酷いこと言うはずが無い。 こんなことは、何かの間違いなのだ。 認めるわけには行かない、間違いは正さなくてはいけない。 「おかあさん!はやくあいつをやっつけ…ゆ゛ぅ!?!」 ゆっくり道にもとる発言をする子どもを体当たりで黙らせる。 「ゆぅ…?お、おかあさんがぶったぁあああああああああ!!!!!」 「お、おかあしゃんどうちてこんなことするのおおおおおおおお!!?」 「ぼーりょくてきなおかあさんとはゆっくりできないよ!!!!」 子ども達はれいむに次々と罵声を浴びせ恥の上塗りをした。 「お だ ま り !!!!!!」 子ども達の罵声がさっ、と止んだ。 「ぱちゅりーはれいむ達のおともだちだよ! そのぱちゅりーをきもちわるい、やっつけようなんていうゆっくりはおかあさんの子どもじゃないよ!!」 ピシャリと子ども達を叱りつける。 子ども達はしゅんとなって俯いて反省したようだ。 酷いことを言ってしまったぱちゅりーに対しては謝罪をしなくてはなるまいとれいむは思った。 「ごめんねぱちゅりー、子ども達がこわがるからお顔にこれをつけてね」 そう言って口の中から雨避けに使う大きめの葉っぱを出して舌に三つ穴を開けるとぱちゅりーの顔に貼り付けて傷が見えないように貼り付けた。 「むっきゅう…ぁ、ありがどう…ありがどぉおおお…!!!」 ぱちゅりーは葉っぱの下でわんわんと泣いた。 れいむはここを出たらぱちゅりーに怪我に良く効く葉っぱをプレゼントしようと思った。 それから事情を説明しあっている内にれいむ達はイナゴの大群に襲われた。 「いだいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 「がじらないでええええ!!!れいむはおいしくないよおおおおおおおおおお!!!!」 「おかあさんたすけてええええええええええええ!!!!」 「はやく走って!小さい子はお母さんのお口の中に入ってね!」 大きな子どもはそのまま走らせ、走るスピードの遅い小さな子どもは咄嗟に自分の口の中へと避難させる。 幼い頃、こうやって母に助けてもらったことがあったのを覚えていて助かった。 しかしれいむは子どもを作りすぎた。 小さなこどもだけでもかなりの数が居る。 一匹だけ口の中からあぶれてしまった。 「お、おかあさん!はやくなかにいれてね!ゆっくりできぁいよ!!!」 ほんの一瞬子どもと見詰め合う。 そしてれいむたちとこの子ども一匹を命の天秤にかけた。 れいむとこの子ども達の命はれいむの愛したまりさが繋いでくれたものなのだ。 たとえその中の一匹と言えど、まりさの繋いだ命の流れを断たせないためには捨てるしかない。 「…ふがっ、ふがっ!(ゆっくり追ってきてね…!)」 涙は流さない、今はただ走るしかないのだ。 「おかあさん!れいむのいもうとがまだのこってるよ!」 「おねえちゃん!おねえちゃぁぁあああん!!」 「れいむのいもうとがおいつけないよ!おかあさんゆっくりしていってねえええええ!!」 口の中から姉妹を呼ぶ子ども達の声が直接頭に響いた。 だが振り向くわけには行かない。 あの子の命を捨ててまで守ったこの子達の命だけは守らなくてはならない。 「おかあさん!おかあさんおいてかないで!!れいむをおいてかないでええええええええええええ!!!!!!! もうわがままいわないから!!ぱちゅりーのこともあやまるからあああああああああ!!!」 「ふがっ、ふがぁっ(ごめんね、ごめんねえええええ!!!)」 口から餡子が出るほど思い切り歯噛みしたかった。 しかし中に子どもが居るのだからそんなことは出来ない。 その時、まりさが飛び出してあの子を口に入れたかと思うとすぐにこちらに追いついて、そのまま再び先頭グループまで追いついた。 子どもの命が助かって嬉しいと同時にそれ以上に無謀擦れ擦れの勇気だとれいむには感じられた。 続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/368.html
別視点 「い゛ぎいいいいいい!ゆ゛っぐりでぎだいいいいいいいいい!!!」 一匹のゆっくりまりさが縄で縛られて木の枝につるされていた。 「はっはっは、人の畑荒らしやがってこのゴミクズが ざまぁねぇなおいさっきまで『まりさはつよいんだよ!』とか言ってたじゃねーか あの威勢はどうした?あぁん?おら、命乞いしろや!」 里の男がサンドバックのようにべしべしとまりさを殴りつけていた。 「ゆ゛ぉ゛っゆげっ゛ゆ゛ぅっ」 「ったく、おめぇが突っかかってくるからもう一匹のゴミクズ逃しちまったぜ その分楽しませろや!」 そう言って男はさらにまりさを殴りつける。 「ゆ゛っげ!?れ、れいむは…」 「ああん?」 「れいむはゴミクズなんかじゃないよ!」 そう言うや否や、殴られた反動とまりさは体を揺らした勢いで男に体当たりをした。 「…てめぇはたっぷりと苦しませてから全殺す」 頬にゆっくりのやわらかい体をぶつけられた男は背筋まで凍るような冷笑を浮かべた。 「まりさ…ごめんね…!ごめんね…!」 林の中を駆けるゆっくりれいむが一匹。 このゆっくりれいむはゆっくりまりさのつがいのゆっくりであった。 里の畑で食料を集めている際に運悪く人間に捕まりそうになった。 本来は里の食料には危険なので手を出さない程度の知恵はあるゆっくりなのだが 冬越えを前に食料が不足してつい里の食料に手を出してしまった。 子どもがたくさん産まれて、手狭になった家を捨てて新しいお家に引っ越したのも痛かった。 場所が変わり、新しい狩場を探すところからはじめなくてはならなかったのだから。 結局食料難で里の畑に手を出してその末に捕まって二匹とも殺されそうになったのだ。 しかしまりさが自らを囮にしてなんとかれいむが逃げる隙を作ってくれた。 そのおかげで今、こうして必死に森の方へと逃げているのだった。 「ぜったいに…むかえにいくからね…!」 もうまりさが助からないことはれいむにもわかっていた。 せめて亡骸だけでもゆっくりさせてあげたかった。 「ごめんね…ごめんね…ごめんね…!」 れいむは後ろを振り向かずにひたすらに走った。 れいむの耳には聞こえないはずのまりさの悲鳴が何故かよく聞こえた。 「まりさ…どこ、まりさ…!」 あれから一週間、れいむは子ども達に留守番をさせてまりさが連れ去られた所を探していた。 人間が居た場所を探すのは危ないのだが、ここはあの男がまりさをいじめるために人目を憚ってわざわざ移動した場所である。 それほど危険は無いはずだった。 「まりさ…まりさ…まり…まりさああああああああああああ!!!!」 まりさはあれからずっと木の上に吊るされていた。 綺麗だった金髪は引き千切られ、髪の着いたまま千切れた皮がぶら下がってその中から餡子が覗いていた。 顔には筆でなんて書いてあるのかはわからないが恐らく屈辱的であろう文字が書いてあった。 元気に飛び跳ねているところをよく見せてくれた足には何十本も先を尖らせた枝が突き刺さっている。 周りには蝿や蛾が集り中身を少しずつ咀嚼している。 その死に顔は苦痛だけに満ち溢れていた。 「ゆうううううう…!ゆううううううううううう…!!」 れいむはその場で泣き崩れた。 自分を逃がすためにまりさはこんなに辛い目にあったのだ。 あの時自分が人間に見つからなければこんなことにはならなかっただろう。 「…まりさを…おろしてあげなきゃ… このままじゃゆっくりできないよね…」 そう言ってれいむはまりさを縄から降ろすためにまりさを吊っている木に登ろうとした。 「ゆうううううううう!?のぼれない!!!のぼれないよおおおおおおおおおおおお!!!」 どだい手も足も無いゆっくりが地面に対してまっすぐ立つ木に登れるはずもなかった。 「あああああ!まりさがゆっくりできない!まりさがゆっくりできないよおおおおおおおお!!!」 せめて亡骸だけはゆっくりさせてあげたいというれいむの願いは粉々に砕かれた。 れいむは絶望しがっくりと項垂れた。 「そ、そうだまりさの帽子 まりさの帽子はどこ!?」 吊るされているまりさには命より大事な帽子がなかった。 ひょっとしたらどこかに落ちているかもしれないと思いれいむは辺りを見回した。 「あ…あれ!」 よく見回すとすぐ近くに黒くて素敵なまりさの大事な帽子が落ちていた。 少し汚れていたが家に持って帰って綺麗に洗ってあげよう。 そして形見として大事に持つのだ。 あの帽子さえあれば子ども達をまりさが見守ってくれているような気持ちになれる。 帽子にはまりさの残り香がある、それをかげばきっとまりさといっしょに居るような気持ちになれる。 そう思い、れいむは帽子を拾うために口にくわえようとして立ち止まった。 「あ…あ…ああ…」 刺激臭がれいむの鼻を劈く。 まりさの命よりも大事な帽子は中にたっぷりと人の糞が詰っていた。 周りには大量の蝿が集っている。 小便もたっぷりとかけてあるのだろう。 ところどころ白いリボンが黄色く変色していた。 きっと生きている間こうやって目の前で命よりも大事な帽子を汚され続けたのだ。 それはきっとどんなことよりも苦痛だっただろう。 まりさの残り香などしようはずもなかった。 「ゆ゛あああああわあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!! ま゛り゛ざあああああああ!!!ゆ゛ぎゃあああああああああああ!ゆ゛ぎゃあああああああああ!!!!」 ある時から、ゆっくりの間でこんな噂が広まった。 『魔法の森の奥深くに おいしい花が美しく咲き乱れ 太陽は燦燦と降り注ぎ 小川はその光を照り返してやさしくせせらぐ 緑に溢れ夜もやさしい空気が安らかな眠りに誘う そこには争う者はおらず誰であろうともゆっくりできる そんなゆっくりプレイスがあるという その場所の名は 何度夜が来てもずっとゆっくりしていられる という意味を込めて 永夜緩居(えいやゆるい) と呼ばれていた』 この物語は永夜緩居を目指したゆっくり達の物語である。 永夜緩居 第二話[ゴミクズ] 「ゆっくりー♪」 「ゆっくりー♪」 能天気に外で遊ぶ子れいむ達と違ってれいむの表情は暗い。 冬越えの食料が一向に集まらないのだ。 もとよりただでさえ食料が不足していたのだがまりさが居なくなって食料集めはさらに困難になった。 もっとも手っ取り早く食料を集めるのなら人間の里に採りに行くのが一番早い。 しかしれいむにもう人間の里へ行く勇気は無かった。 何か違う方法を考えなくてはならない。 れいむは頭が痛くて仕方なかった。 「ゆー、れいむは永夜緩居ってほんとうだと思う?」 「ゆ?永夜緩居?」 それは食料集めの途中で若いまりさとれいむのゆっくり夫婦とであった時のことだった。 「そこはね、ごはんもたくさんあってとってもゆっくりできるゆっくりプレイスなんだって」 「そこにさえ行けばゆっくりしほうだいだぜ!」 ゆっくり夫婦は期待に満ち溢れた目で言った。 「ゆー、そんなの嘘八百だよ ごはんを集めるにはまじめにがんばるしかないよ」 れいむにはそんな話はとても信じられなかった。 若者は何故こうも夢物語に食いついてしまうのだろうかとれいむは疑問に思った。 「でも言ってきて様子を見てきたゆっくりを知ってる奴の話もまりさはたくさん聞いたんだぜ! きっとみんなそこでゆっくりしてるんだぜ!探さない奴は馬鹿だぜ! まりさもえーやゆるいに行ったら思い切りゆっくりしてれいむをすっきりさせまくるんだぜ! ま、まりさはいまここでまりさのえくせれんとなまむまむでれいむをすっきりさせてあげてもいいんだぜ」 若いまりさが熱っぽい視線を送りながら若いれいむに圧し掛かる。 「ゆっ、やめてよまりさ!はずかしいよ!」 そう言って二人で絡み合いを始める若いゆっくり夫婦 「ゆぅーん…」 れいむは眉根を寄せて嫌な顔をした。 れいむはどうもこの若いまりさは軽薄な感じがして好きになれなかった。 しかし実際に行ってきたゆっくりが居るという話は気になる。 少し調べてみようかとれいむは思った。 話を色々聞いてみると確かに魔法の森の奥に素晴らしいゆっくりプレイスを見つけたというゆっくりの話を聞いたゆっくりの話をいくつか聞けた。 証言の内容や行ってきた場所もほぼ一致する。 もしかしたら本当に永夜緩居はあるのかもしれない。 「ゆっゆっゆー♪」 「ゆっゆーん♪」 れいむは子ども達を見た。 恐らくこのまま食料を集めてもれいむにはかなりたくさんの子どもが居る。 きっとこのまま冬を迎えれば何匹か『間引く』ことになるだろう。 出来ればそれは避けたかった。 「……この子達はまりさの形見だもんね…まりさのぶんもゆっくりさせてあげなくちゃ」 れいむは永夜緩居を目指すことを決心したのだった。 「あっゆっこー♪あっゆっこー♪」 「れいっむはーゆっくりー♪」 「ゆっくりー♪だいっすきー♪」 「ゆっくりいっこっおー♪」 子ども達は気楽に歌を歌いながらゆっくりと歩いていた。 こうやってゆっくり進んでいられるのもれいむが吟味に吟味を重ねて 補給ゆっくりポイントが多く荒れの少ないコースを選んだからだ。 れいむ一人か、子どもがもう少し育っていれば多少険しい道でも近道を行きたいが 子ども達はまだまだ幼いのだから仕方ない。 れいむとしてもここは我慢のしどころである。 予定道理池の近くのゆっくりポイントに到着したれいむはすぐに寝床を用意すると明日も早いのですぐに寝るように言った。 子ども達はすぐに寝ようとし、そして叫び声があがった。 「そこはれいむたちのおうちだよ!おねえさんはゆっくりちてなんででていってね!」 見知らぬゆっくりが予定していた寝床を先に一つ占拠してしまっていたようだ。 そこを占領されては子ども達が全員安全に眠れない。 すぐに立ち退かせてやろうとれいむは意気込んで木の洞へと向かった。 「ゆ!ごめんね、まりさはすぐにでていくから怒らないでね でもこのぱちゅりーだけはゆっくりさせてあげて!とっても疲れてるの、お願いだからゆっくりさせてあげてね!」 そこではまりさが必死にれいむ達を相手に仲間のぱちゅりーを助けるための交渉を繰り広げていた。 ただし自分はなんとかする対象に入っていないようであった。 ただただぱちゅりーを休ませて欲しい、それさえ認めてもらえれば自分はゆっくりできなくても構わないと言う。 れいむはその姿をみてまりさ種には珍しい男気のあるゆっくりだと思った。 れいむの愛したまりさも人のために自分を犠牲に出来るそんなゆっくりまりさだった。 「ゆ、別に一匹だけならいいよ それなられいむの子どももねむれるから」 「ゆ!?ほんと!ありがとうね!ありがとうね!」 そのまりさは目をキラキラさせて本当に喜んでいた。 全く、自分のゆっくりは全然確保できて無いのにこんなに喜ぶなんて呆れてしまうとれいむは思った。 「あっちにくぼみがあるからそこで草でもかぶって寝ててね すこし危ないけどそれなりにゆっくりできるでしょ」 「ゆ!いたれりつくせりだよ!ありがとうれいむ!」 本当に人のいいゆっくりだ。 でも嫌いじゃないとれいむは思った。 まりさはすぐに明日の出発するための準備を済ますと寝床を貸してくれた御礼に自分たちの準備も手伝ってくれるといった。 ここまで来ると呆れざるを得ないがありがたいことには違いないので喜んで申し出を受けた。 次の日、子ども達をまりさに任せて今後の計画を練っているとぱちゅりーが目を覚ましたので 全員で集まって食事を採った。 「むきゅ、つまり昨日からここで偶然れいむ達の家族と会ってそれでいっしょにおやすみしてたんだけど ぱちゅりーはねてたから気づかなかったってこと?」 「そうだよ!いっしょにゆっくりしてたよ!」 まりさが元気に答えた。 つまりはそういうことらしい。 二匹は若いだけあって中々険しいコースを進んできたようだった。 無謀擦れ擦れの勇気だとれいむは思った。 今の自分には子ども達が居なくてもそんなコースは行かなかっただろうと思う。 「むきゅ、そんなにいっぱい子どもがいるのにここまでこれるなんて…」 ぱちゅりーがこちらを見て溜息をついた。 確かに我ながらこの面子でよくここまで頑張っていると思う。 「れいむのおかあしゃんすごいでしょ!」 「すごいでちょ!」 子ども達は誇らしげに胸を張った。 「むきゅ~、ほんとにすごいよ どうやって来たのかぱちゅりーにも教えて欲しいよ」 「ゆ、れいむはお母さんだからね 子ども達のためにすごいがんばったんだよ」 「おかあしゃんがんばったよ!」 「がんばっちゃょ!」 「ゆゆ、何があってもれいむの赤ちゃんはれいむがまもってあげるからね」 そうだ、この子達はまりさの唯一の形見、まりさがあの人間を相手に戦ってこの世に残せたただ一つのものなのだ。 この子達の命、必ず次代へとつないでいかなければならない。 れいむの視線には愛情だけではないまりさへの悔いや人間への憎しみ、様々な想いが複雑に絡まったものだった。 「まりしゃおねーしゃんばいばい!またいっしょにゆっくりしようね!」 「ゆっくりちようね!」 「ちようね!」 「ゆ~!」 「うん!きっとみんなとゆるいで一緒にゆっくりするよ!」 子ども達は無邪気にまりさ達に別れを告げているが本当にきついのはここから先なのだ。 れいむは気を引き締めた。 子ども達の体力に気を使いながらゆっくりとれいむ達は進んだ。 ここまで来ると子どもでも簡単に越えられるコースは殆どなく 必然的に少しでも早く終わらせるために多少険しくてもショートカットコースを進むこととなった。 子ども達には辛い道中となったが、その甲斐もあってれいむ達はついに永夜緩居へと辿り着いたのだ。 そこは噂にたがわぬおいしそうな花が美しく咲き乱れ お日様は燦燦と降り注ぎ小川はその光を照り返してやさしくせせらぐ 素晴らしくゆっくりして美しい場所だった。 「ゆっくりー♪」 「わー、まるでてんごくみたいー♪」 「まったく、えんぎでもないよ」 れいむは物騒なことを言う子どもを嗜めた。 しかし確かに天国と間違えてしまいそうなほど美しい景色だった。 「あ、ちょちょさんだー!がおー!たべちゃうぞー♪」 「たべちゃうじょー♪」 「れみりゃのまねなんてしちゃだめだよ!!」 流石にこれにはれいむも怒る。 あんな恐ろしい生き物の真似などされたらたまったものじゃない。 そんなれいむの注意を気にも留めずにおなかを空かした子ども達はちょうちょを食べに走っていった。 「ほんと…こまったもんだよ」 れいむはやれやれと思うと同時に肩の荷が下りたのを感じてつい顔が綻んだ。 これだけ食べ物の豊富なところなら住処さえ見つければ冬越えも苦労しないだろう。 「ゆー♪ぱくっ…ゆ、ぅげぇぇえええ!?」 飛んでいたちょうちょを一番乗りでかみついた子どもが突如ちょうちょと餡子を吐き出してもがき苦しみだした。 「お、おねえちゃん?」 「どうしたの!?おなかいたいの?!」 周りのほかの子ども達がその子どもの周りに集まった。 「…!?ど、どいてね!」 れいむも慌てて子どもの傍に駆け寄る。 「ペロ…これは、なんだかよくわからないけどゆっくりできなくなる毒!」 なんということだ、ここのちょうちょは毒をもっているというのか。 他にも毒を持ったものが居るかもしれない。 ここでの餌探しは慎重に行わなければと心に刻みこむれいむだった。 「食べたものぜんぶ吐いてね!!!」 「うげっ!おげえええええ!おがあざんゆっぐりざぜうごぁ!」 とりあえず毒もろとも腹の中の内容物を吐き出させるれいむであった。 凄惨な光景に子ども達は目を背けた。 背けているとなんで背けていたのかも忘れて他のことに気をとられるのがゆっくりブレインである。 「ゆ、あのきはおいしいきのみがなるきだよ!」 「ゆゆ!みんなたいあたりしてきのみおとすよ!!」 「えいえいゆー!」 すぐさま木の周りに子ども達は集まった。 「ゆ?危ないかもしれないからちょっとゆっくりしてね!」 慌ててれいむは静止したが子ども達は意に介さずに体当たりを敢行した。 ボトっ、ブゥゥゥン。 凶悪な羽音と共にそれは舞い降りた。 「はちだぁああああああああああ!!!!」 「だずげでええええええええええ!!!!!」 「おがあざあああああああああああん!!!」 「お母さんについて早く逃げてねええええええええええ!!!!」 ここではゆっくりできないとれいむは確信した。 なんとか逃げ回って蜂をまいたれいむ達は大分歩き回ったので位置がつかめず 周りを確認するために小さな丘を見つけてそこに登った。 そこでれいむはみょんな物を見つけてしまう。 「まりさは!ぱちゅりーのことが!だいだいだいすきだよ! どんなお顔になっても!どんな時でも!ずーっとずーっと一緒にゆっくりしていたいの! だから、だからああああああ!!!」 「む、むきゅううううううううん!!」 全く、あの二匹は子どもの癖に何をやっているのか。 真昼間からあんな開けた場所で行為に及ぶとは若いゆっくりは羞恥心が足りない。 ここはいつからゆっくりハッテン場になったのか。 「そこまでよ!」 『ゆきゅう!?』 ぱちゅりー種の十八番のセリフを奪ってやったらひとまず溜飲が下がった。 「まだ大人じゃないのにスッキリしたらゆっくりできなくなるんだからね! じちょうしてね!!!」 『ゆ、ゆゆゆゆゆ~~』 若い二匹の交尾に対してぷんすかとれいむであった。 行為を目撃されて流石に恥たのか二匹は顔を真っ赤にして俯いて唸っていた。 「おかあさん、まりさおねえちゃんたちなにちてたのー」 「子どもはまだ知らなくていいよ!! まったく、わかものの性の乱れにはゆっくり呆れるよ!」 この前の軽薄なまりさとこの子達は違うと思ったのだが買いかぶりだっただろうかとれいむは溜息をついた。 「ゆゅ!?まりさ!そっちのきもちわるいのなに!?」 「ゆ!?」 ぱちゅりーの顔を見た子れいむが悲鳴をあげた。 「おかあさん!きもちわるいのがいるよ!」 「あんなのといっしょじゃゆっくりできないよ!」 「…ゅっ、むっ…ゅぅ…」 「ぱ、ぱちゅりー…!」 れいむは耳を疑った。 何故そんな酷いことをこの子達は口走っているのだろうか。 この子達はれいむの愛したあの優しくて仲間思いで責任感のあるまりさとれいむの間に生まれた子ども達のはずだ。 れいむのまりさが遺した大事な子ども達がこんな酷いこと言うはずが無い。 こんなことは、何かの間違いなのだ。 認めるわけには行かない、間違いは正さなくてはいけない。 「おかあさん!はやくあいつをやっつけ…ゆ゛ぅ!?!」 ゆっくり道にもとる発言をする子どもを体当たりで黙らせる。 「ゆぅ…?お、おかあさんがぶったぁあああああああああ!!!!!」 「お、おかあしゃんどうちてこんなことするのおおおおおおおお!!?」 「ぼーりょくてきなおかあさんとはゆっくりできないよ!!!!」 子ども達はれいむに次々と罵声を浴びせ恥の上塗りをした。 「お だ ま り !!!!!!」 子ども達の罵声がさっ、と止んだ。 「ぱちゅりーはれいむ達のおともだちだよ! そのぱちゅりーをきもちわるい、やっつけようなんていうゆっくりはおかあさんの子どもじゃないよ!!」 ピシャリと子ども達を叱りつける。 子ども達はしゅんとなって俯いて反省したようだ。 酷いことを言ってしまったぱちゅりーに対しては謝罪をしなくてはなるまいとれいむは思った。 「ごめんねぱちゅりー、子ども達がこわがるからお顔にこれをつけてね」 そう言って口の中から雨避けに使う大きめの葉っぱを出して舌に三つ穴を開けるとぱちゅりーの顔に貼り付けて傷が見えないように貼り付けた。 「むっきゅう…ぁ、ありがどう…ありがどぉおおお…!!!」 ぱちゅりーは葉っぱの下でわんわんと泣いた。 れいむはここを出たらぱちゅりーに怪我に良く効く葉っぱをプレゼントしようと思った。 それから事情を説明しあっている内にれいむ達はイナゴの大群に襲われた。 「いだいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 「がじらないでええええ!!!れいむはおいしくないよおおおおおおおおおお!!!!」 「おかあさんたすけてええええええええええええ!!!!」 「はやく走って!小さい子はお母さんのお口の中に入ってね!」 大きな子どもはそのまま走らせ、走るスピードの遅い小さな子どもは咄嗟に自分の口の中へと避難させる。 幼い頃、こうやって母に助けてもらったことがあったのを覚えていて助かった。 しかしれいむは子どもを作りすぎた。 小さなこどもだけでもかなりの数が居る。 一匹だけ口の中からあぶれてしまった。 「お、おかあさん!はやくなかにいれてね!ゆっくりできぁいよ!!!」 ほんの一瞬子どもと見詰め合う。 そしてれいむたちとこの子ども一匹を命の天秤にかけた。 れいむとこの子ども達の命はれいむの愛したまりさが繋いでくれたものなのだ。 たとえその中の一匹と言えど、まりさの繋いだ命の流れを断たせないためには捨てるしかない。 「…ふがっ、ふがっ!(ゆっくり追ってきてね…!)」 涙は流さない、今はただ走るしかないのだ。 「おかあさん!れいむのいもうとがまだのこってるよ!」 「おねえちゃん!おねえちゃぁぁあああん!!」 「れいむのいもうとがおいつけないよ!おかあさんゆっくりしていってねえええええ!!」 口の中から姉妹を呼ぶ子ども達の声が直接頭に響いた。 だが振り向くわけには行かない。 あの子の命を捨ててまで守ったこの子達の命だけは守らなくてはならない。 「おかあさん!おかあさんおいてかないで!!れいむをおいてかないでええええええええええええ!!!!!!! もうわがままいわないから!!ぱちゅりーのこともあやまるからあああああああああ!!!」 「ふがっ、ふがぁっ(ごめんね、ごめんねえええええ!!!)」 口から餡子が出るほど思い切り歯噛みしたかった。 しかし中に子どもが居るのだからそんなことは出来ない。 その時、まりさが飛び出してあの子を口に入れたかと思うとすぐにこちらに追いついて、そのまま再び先頭グループまで追いついた。 子どもの命が助かって嬉しいと同時にそれ以上に無謀擦れ擦れの勇気だとれいむには感じられた。 続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/ygo000/pages/167.html
通常魔法 自分または相手の墓地からモンスターを1体選択して発動する。 選択したモンスターを自分のフィールド上に特殊召喚する。 デュエル中のモンスターを蘇生させる効果である。 さらに簡単に言うならば「墓地のモンスターをフィールドに移動させる」程度の能力である。 実際の魂を蘇生できないことから、 蘇生術、人体錬成、ドラゴンボールなどの下位互換にあたる。 ゲームのルール上蘇生なんて、現実に殆ど干渉していない。 だが、最も親しい人間が死に、オカルト宗教に蘇生術を勧められた時、このカードの存在で目が覚めるだろう。 神が創ったこの世界ですら、ゲーム上のモンスターを蘇生する程度が精一杯だと。 「死者の蘇生」と強烈なネーミングに反し、その無力さを知るだろう。 原作漫画でもある少年に死にも等しい別れが迫った時 このカードによってメッセージを伝えた。 そして彼は前に進んだ。 死者を蘇生させることはできないが、明日への一歩を踏み出す道標となってくれるカードである。 2スレ目 898 名無しプレイヤー@手札いっぱい。 2009/08/05(水) 22 35 26 ID md+A0pDt0 イイハナシダナー 全俺が泣いた。 Tag:クズカード? 人生アド